ひつじ事情
以前のブログで、サフォーク種の羊毛の特徴についてちょこっと書きました。サフォークの毛は縮れていて、紡ぐと空気がたくさん入ってとても弾力のある糸になるがなかなかつぶれないといった特徴あるらしく、布団の中詰めに使われていた、などなど。
確かにサフォークの毛はぎゅっと握りつぶしてもすぐに押し返してくるような弾力が強い。
さらに調べていくといろいろな事がわかってきた。
・1990年代半ば頃までは、布団綿業者が.品質を問わず、ワラゴミ・糞や泥汚れのはげしいところもそのままの状態でも無条件でkg200~300 円で引き取っていた。
・肉で売れば1頭当たり枝肉で、2~3万円で売れるのに対し、羊毛からは布団綿の場合、1頭当たり500~600円にもならない。全収入の約2~3%しかない毛に対して労力をかけられない。
・サフォークは中毛に入り弾力があり一番応用範囲が広い。国産羊毛の80%以上を占めているサフォークは毛足が短かく、わらゴミや糞などが付き、汚れのため欠点羊毛に入れられている。
・国産サフォークの毛は輸入羊毛の安値に押し出され、行き場がなく在庫をかかえたままの牧場も多い。
以上は日本の少し前の現状らしい。
一方海外では、、
•英国では、サフォークの毛は短毛種としてツイードやブランケット、メリヤス地、靴下、セー ター、また細番手の上質のものはフランネルや高級服地にも使われている。すなわち嵩高性(かさだかせい)のある素材として明確に衣料品として幅広い用途と 位置付けがされている。
※『国産羊毛の可能性』 - 社団法人畜産技術協会:季刊誌シープジャパン より一部抜粋。
いろいろな羊事情が垣間見えてきました。
全くのド素人ながらも、羊毛に触れて紡いだりしているうちに、実感として上に書いた事もうっすらとはわかってきました。
羊の種類によってもちろん毛の性質も変わってくるし、一頭の羊の中でも部位によって毛の状態も変わってくる。また、飼育環境によっても毛の状態(汚れ具合)なども変わってくる。
さらに、一頭分の羊毛の中で、紡ぐのに適した部分と中綿などに適した部分とに分けられて、さらにその後の過程(洗毛、カーディング、紡ぎの技術)によって、毛糸としての仕上がりも変わってくる。
ここに染めが入ってくると、羊毛についている油(ラノリンといって化粧品にも使われる)をどのくらいおとすかによって色の入り具合も変わってくる、、などなど、なかなか奥が深いです。
子羊♡
サフォークならではの何かしらのアイテムを早く作りたいな。年内には。。